コアウェブバイタル

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コアウェブバイタルは、Google が定義する 3 つの主要なパフォーマンス指標であり、読み込みパフォーマンス、インタラクティビティ、視覚的安定性の観点から、実際のユーザー体験を測定します。これらの指標(LCP:Largest Contentful Paint、INP:Interaction to Next Paint、CLS:Cumulative Layout Shift)は Google の検索ランキングアルゴリズムに不可欠であり、AI 検索結果でのウェブサイトの可視性にも直接影響します。

コアウェブバイタルの定義

コアウェブバイタルとは、Google が定める 3 つの定量的なパフォーマンス指標のセットであり、「読み込みパフォーマンス」「インタラクティビティ」「視覚的安定性」という 3 つの重要な側面から、実際のユーザー体験を測定します。これらの指標は 2020 年に Google の Web Vitals イニシアチブの一環として導入され、Google 検索がページ体験を評価しランキングを決定する際の基礎となっています。3 つのコアウェブバイタルは、Largest Contentful Paint (LCP)Interaction to Next Paint (INP)Cumulative Layout Shift (CLS) です。これらの指標は理論的な計測値ではなく、何百万もの実際のページ訪問から収集されたユーザーデータに基づいており、真のユーザー体験を非常に的確に表しています。コアウェブバイタルを理解し最適化することは、競争力のある検索可視性を維持し、優れたユーザー体験を提供したいウェブサイト運営者・開発者・デジタルマーケターにとって必須事項となっています。

コアウェブバイタルの歴史と進化

Google は、従来のパフォーマンス指標だけではユーザー体験を十分に捉えられないという認識の高まりを受け、2020 年 5 月にコアウェブバイタルを初めて導入しました。当初の 3 指標は Largest Contentful Paint (LCP)First Input Delay (FID)Cumulative Layout Shift (CLS) でした。しかし、FID だけではすべてのユーザーインタラクションにおける応答性を十分に測れないことが判明し、2023 年 5 月、Interaction to Next Paint (INP) が FID に代わりコアウェブバイタルとなることが発表され、2024 年 3 月 12 日に移行が完了しました。この進化は、Google が実際のユーザー体験をより正確に反映した指標へと継続的に改善していることを示しています。FID から INP への移行は、INP が最初のインタラクションだけでなくページ寿命全体のすべての操作レイテンシを評価できるため、ページ応答性を総合的に把握できる点で重要です。導入以来、コアウェブバイタルは Google の検索ランキングアルゴリズムに組み込まれ、その最適化は SEO 戦略とデジタルマーケティング成功の鍵となっています。

3 つのコアウェブバイタル指標の詳細

Largest Contentful Paint (LCP):読み込みパフォーマンスの測定

Largest Contentful Paint (LCP) は、ウェブページで最も大きな可視コンテンツ要素がどれだけ早く表示されるかを測定します。画像・動画・テキストブロックなど、ユーザーの画面上に現れる最大の要素の表示タイミングを追跡することで、読み込みパフォーマンスを評価します。Google は、LCP がページ読み込み開始から 2.5 秒以内 で発生することを推奨しています。LCP の評価基準は、良好(2.5 秒以下)、改善が必要(2.5~4 秒)、不良(4 秒超)です。LCP の悪化原因は主に 4 つあり、サーバーレスポンスの遅延、大きく最適化されていないリソースファイル、クライアントサイドレンダリングの遅延、レンダーブロックする JavaScriptCSS です。LCP 改善には、サーバーインフラの強化、画像の圧縮・最適化、遅延読み込み実装、非重要な JavaScript 実行の遅延などが効果的です。LCP の重要性は非常に高く、ページの読み込み時間が 1 秒から 3 秒に増加すると直帰率が 32%上昇し、6 秒かかる場合は 106%も上昇するという調査結果もあります。

Interaction to Next Paint (INP):応答性の測定

Interaction to Next Paint (INP) は、ユーザーがページ上でクリック・タップ・キーボード入力などの操作を行ってから、ブラウザが視覚的な応答を表示するまでのレイテンシを評価し、ページの応答性を測定します。従来の First Input Delay (FID) が最初の操作のみを測定していたのに対し、INP はセッション中のすべての操作の中で最も遅いものをスコアとします。GoogleINP200 ミリ秒未満 に抑えることを推奨しています。INP の評価基準は、良好(200ms 以下)、改善が必要(200~500ms)、不良(500ms 超)です。INP 悪化の主因は、大量の JavaScript 実行によりブラウザがユーザー入力の処理を遅延させることです。ウェブページの機能に関連する大規模な JavaScript のパース・実行でブラウザがブロックされ、応答が遅れます。INP 改善には、コード分割や JavaScript バンドルサイズ削減、Web Worker の導入、イベントハンドラーの最適化などが有効です。

Cumulative Layout Shift (CLS):視覚的安定性の測定

Cumulative Layout Shift (CLS) は、ユーザー訪問中に予期せずレイアウト要素が移動した量を数値化し、ページの視覚的安定性を測定します。ユーザー操作なしで表示要素が別の位置に突然移動するたびにレイアウトシフトとしてカウントされます。GoogleCLS0.1 以下 に抑えることを推奨しています。CLS の評価基準は、良好(0.1 以下)、改善が必要(0.1~0.25)、不良(0.25 超)です。一見些細なレイアウトシフトでもユーザー体験に大きな悪影響を及ぼす場合があり、例えば「カートから削除」ボタンを押そうとした瞬間に広告が出現して「注文確定」ボタンにずれてしまうなどの事故が起こりえます。CLS 悪化の主因は、サイズ指定のない画像や埋め込みコンテンツ、予約領域のない広告・iframe、動的挿入コンテンツ、テキストリフローを引き起こす web フォントなどです。CLS 改善には、すべての画像・埋め込みコンテンツにサイズを指定し、広告や動的コンテンツ用のスペースを確保する、font-display プロパティでテキストリフローを抑制する、レイアウトシフトを伴うアニメーションを避ける等が有効です。

比較表:コアウェブバイタルと関連パフォーマンス指標

指標測定内容良好なしきい値改善が必要不良なしきい値ユーザーへの影響
LCP (Largest Contentful Paint)読み込みパフォーマンス2.5 秒以下2.5~4 秒4 秒超体感速度と初期表示体験
INP (Interaction to Next Paint)応答性200ms 以下200~500ms500ms 超クリックや入力への応答性
CLS (Cumulative Layout Shift)視覚的安定性0.1 以下0.1~0.250.25 超予期せぬ要素移動・誤クリック
TTFB (Time to First Byte)サーバーレスポンス600ms 以下600~1800ms1800ms 超サーバー初期応答(補助指標)
FCP (First Contentful Paint)最初のコンテンツ表示1.8 秒以下1.8~3 秒3 秒超最初のコンテンツ表示タイミング(補助指標)
TBT (Total Blocking Time)メインスレッドブロック200ms 以下200~600ms600ms 超JavaScript 実行による入力ブロック(補助指標)

コアウェブバイタルと検索エンジン最適化(SEO)への影響

コアウェブバイタルは、Google の検索ランキングアルゴリズムに不可欠な要素となりました。ただし、これらは多数あるランキング要因のひとつであり、Google は「コアウェブバイタルが順位に影響を与えるものの、コンテンツの質が最も重要である」と明言しています。しかし、コンテンツの質がほぼ同等の 2 ページの場合、コアウェブバイタルが優れている方が通常上位に表示されます。この関係性から、コアウェブバイタルの最適化は現代 SEO 戦略の要となっています。ランキングアルゴリズムへの統合は、「ユーザー体験を重視するサイトを評価する」という Google の哲学を体現しており、ウェブサイト運営者がパフォーマンス改善に投資することを促進し、検索結果全体の品質向上に寄与しています。また、コアウェブバイタルのデータは Google Search Console でも目立つ形で表示され、具体的な改善提案も得られます。こうした表示により、デジタルマーケターや開発者の間でコアウェブバイタルはウェブサイトの健康・パフォーマンス評価の標準指標となっています。

コアウェブバイタルの測定とモニタリング

Google は、コアウェブバイタルの測定・モニタリングのために複数のツールやリソースを提供しています。Google Search Console のコアウェブバイタルレポートは、実際のユーザーによる訪問データをデバイス別(モバイル・デスクトップ)、パフォーマンス別(不良・改善が必要・良好)に分類して表示します。このフィールドデータは、Chrome User Experience Report (CrUX) による匿名化集計データを利用しています。PageSpeed Insights は個別 URL のフィールドデータとラボデータの両方を提供し、具体的な改善提案も示します。Chrome Lighthouse(Chrome DevTools に組み込まれたオープンソースツール)は、ラボテストやパフォーマンス監査用に使えます。DynatraceDebugBearVercel などのサードパーティサービスは、継続的モニタリングや過去トレンド分析、高度なアラート機能も提供します。フィールドデータ(実ユーザーデータ)とラボデータ(テスト環境データ)の違いも重要です。多くの専門家は、最重要指標として Search Console のフィールドデータを重視しつつ、ラボデータツールで個別の最適化を検証することを推奨しています。

コアウェブバイタルの業界別統計とトレンド

最新データによると、コアウェブバイタルの達成状況にはウェブ全体で大きなばらつきがあります。2024~2025 年時点で、全 3 指標をクリアしているサイトは約 40~51% であり、2020 年のごくわずかな合格率から大きく改善しました。しかし裏を返せば、いまだ半数近くのサイトが Google の基準を満たしていません。モバイルサイトはデスクトップよりも合格率が 5~15 ポイント低い傾向です。商業ウェブサイトや大手ブランドは合格率が 70% を超えることも多い一方、技術リソースが限られる小規模サイトでは最適化が難しい場合が目立ちます。CLS は比較的クリアしやすい一方、LCPINP は多くのサイトが苦戦しています。業種によって課題の分布も異なり、EC サイトは大型画像の影響で LCP、コンテンツ重視サイトは JavaScript 多用による INP の課題が多い傾向です。こうした統計は、コアウェブバイタル最適化が検索順位とユーザー体験の競争優位性を左右し続けていることを示しています。

コアウェブバイタルと AI 検索エンジンでの可視性

ChatGPTPerplexityGoogle AI OverviewsClaude などの AI 搭載検索エンジンの登場により、コアウェブバイタルの重要性は新たな次元に拡大しています。これらの AI システムは、権威があり高速かつ信頼性の高いソースをユーザーの質問への回答に優先して引用します。コアウェブバイタルが優れているウェブサイトは、技術的な卓越性とユーザー中心設計を示すため、AI システムにクロール・インデックスされ引用されやすくなります。Google の AI Overviews でも、良好なコアウェブバイタルを持つページが優先的に引用されるため、最適化は新しい検索フォーマットでの可視性確保に不可欠です。AmICited などのモニタリングサービスを利用すれば、自社ドメインや特定 URL が各種 AI 検索エンジンの回答でどのように引用されているか分析できます。これは、コアウェブバイタルが従来の Google 検索順位だけでなく、AI 検索結果でのブランド露出にも影響するようになったことを意味します。競争力ある可視性を維持したい組織は、伝統的検索と新たな AI 検索両方への対策として、コアウェブバイタル最適化を戦略的に進める必要があります。

コアウェブバイタル最適化のベストプラクティス

効果的な コアウェブバイタル最適化には、根本原因に体系的にアプローチすることが重要です。LCP の場合は、画像圧縮や WebP などの最新フォーマット活用、ファーストビュー外コンテンツの遅延読み込み、サーバーインフラや CDN の活用でサーバーレスポンスタイム短縮、非重要な JavaScriptCSS の遅延読み込みなどが有効です。INP では、コード分割による JavaScript バンドルサイズの削減、Web Worker の活用、イベントハンドラーやコールバックの最適化、パフォーマンス監視ツールを用いたボトルネック特定などが効果的です。CLS では、必ず画像や埋め込みコンテンツにサイズ指定を行い、広告・動的コンテンツ用領域を予約、font-display でフォント読み込み挙動を制御、レイアウトシフトが起こるアニメーションを避けるなどが推奨されます。加えて、Google Search Console 等で継続的にモニタリングし、パフォーマンス予算を設定してリグレッションを防ぎ、重要ページから優先的に修正するのが効果的です。多くの組織では、コアウェブバイタルを KPI として開発ワークフローやデプロイプロセスに組み込む例も増えています。

コアウェブバイタルの今後と戦略的意義

コアウェブバイタルは、Google がユーザー体験をより深く理解し、ウェブ技術が進化するに伴い、今後も進化し続けます。Google は、研究やユーザーの声をもとに定期的にコアウェブバイタルを見直し・更新していると公言しており、将来的には新たな指標の追加や既存指標の微調整も想定されます。AI 検索システムへのコアウェブバイタル統合は、これらの指標の影響範囲を従来型検索からさらに拡大させる大きな変化です。AI 搭載検索が主流となる中、コアウェブバイタルと AI 検索可視性の関係は今後さらに強化され、最適化の重要性が高まるでしょう。今から積極的にコアウェブバイタルを最適化する組織は、伝統的・新興の両検索チャネルで可視性を維持しやすくなります。また、コアウェブバイタル重視は「ユーザー中心設計とパフォーマンス最適化」への業界全体の流れを反映しており、今後もウェブ開発のベストプラクティスの中心にあり続けると考えられます。SEO・ユーザー体験・AI 検索可視性の融合により、コアウェブバイタル最適化はデジタル市場で競争優位を目指すすべての組織にとって戦略的不可欠事項となっています。

よくある質問

コアウェブバイタルの 3 つの指標とそのしきい値は何ですか?

コアウェブバイタルの 3 つの指標は、読み込みパフォーマンスを測る LCP(Largest Contentful Paint:良好なしきい値は 2.5 秒以下)、応答性を測る INP(Interaction to Next Paint:良好なしきい値は 200 ミリ秒以下)、視覚的安定性を測る CLS(Cumulative Layout Shift:良好なしきい値は 0.1 以下)です。それぞれ「良好」「改善が必要」「不良」の 3 つのパフォーマンスカテゴリがあり、具体的な数値しきい値で定義されています。

コアウェブバイタルは SEO や検索ランキングにどのような影響を与えますか?

コアウェブバイタルは、Google のページ体験シグナルの一部として検索ランキングに影響を与えますが、コンテンツの質が主要なランキング要因であることは変わりません。他の要因が同等の場合、コアウェブバイタルの評価が良いウェブサイトの方が、評価が悪いサイトよりも上位に表示されやすくなります。また、Google Search Console や PageSpeed Insights でも指標が表示され、サイトのパフォーマンス課題の特定と改善に役立ちます。

コアウェブバイタルで FID(First Input Delay)を置き換えた指標は何ですか?

2024 年 3 月 12 日に、Interaction to Next Paint(INP)が正式に First Input Delay(FID)に代わり、コアウェブバイタルの 1 つとなりました。INP はページの寿命全体にわたるすべてのユーザーインタラクションのレイテンシを評価するため、より包括的に応答性を測定します。この変更は、Google が実際のユーザー体験をより正確に測定することに注力していることを示しています。

自分のウェブサイトのコアウェブバイタルを測定・監視するには?

Google Search Console のコアウェブバイタルレポートで、実際のユーザーから得られるフィールドデータを確認できます。その他、個別 URL テスト用の PageSpeed Insights、ローカルテスト用の Chrome Lighthouse、各種サードパーティの監視プラットフォームも利用可能です。これらのツールは、実ユーザーデータ(フィールドデータ)とテスト環境データ(ラボデータ)の両方を提供し、パフォーマンス課題の特定に役立ちます。

現在、コアウェブバイタルを全てクリアしているウェブサイトの割合は?

2024~2025 年時点で、全 3 指標をクリアしているウェブサイトは約 40~51%です。モバイルサイトはデスクトップよりも一般的に評価が低くなりがちです。2020 年にはごくわずかなサイトしか基準を満たしていませんでしたが、現在は大きく改善されています。業界によってばらつきがあり、商業サイトは平均よりも高い合格率を誇ります。

コアウェブバイタルは AI 検索やブランドモニタリングとどのように関係していますか?

コアウェブバイタルは、AI 検索の可視性を高める上でますます重要になっています。ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviews などの AI システムは、権威があり高速に読み込まれるソースを優先的に引用します。コアウェブバイタルが優れているサイトは、AI システムにクロール・インデックス・引用されやすくなります。AmICited のようなモニタリングプラットフォームは、自社ドメインが AI の回答にどのように表示されるかを追跡できるため、コアウェブバイタル最適化は伝統的検索と AI 検索の両方で可視性を維持するために不可欠です。

コアウェブバイタルの評価が悪くなる主な原因は?

LCP の悪化は、サーバーレスポンスの遅延、大きく最適化されていない画像、レンダーブロック JavaScript などが主因です。INP の悪化は主に大量の JavaScript 実行によるユーザー操作のブロックが原因です。CLS の悪化は、サイズ指定のない画像や広告、動的に挿入されるコンテンツ、レイアウトシフトを引き起こす web フォントなどが挙げられます。画像圧縮やコード分割、遅延読み込みなどの最適化で大きく改善できます。

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