Google-Extendedとは何か?その仕組みとブロックすべきかの判断基準

Google-Extendedとは何か?その仕組みとブロックすべきかの判断基準

Jan 3, 2026 に公開されました。 Jan 3, 2026 の 3:24 am に最終更新されました

Google-Extendedとは?

Google-Extendedは、Googleが2023年9月28日に発表した独立したプロダクトトークンで、ウェブパブリッシャーが自サイトのコンテンツをGoogleの生成AIモデル、特にBardVertex AIの訓練や改善に利用できるかどうかを細かく制御できるようになりました。この新しい制御手段は、GoogleのAIの透明性パブリッシャーの同意に対する姿勢に大きな変化をもたらし、サイト管理者が自分のコンテンツがAI開発にどう使われるかを自ら判断できるようにします。robots.txtファイルにGoogle-Extendedを実装することで、パブリッシャーは現在および将来世代のAIモデルの改善への貢献を選択できるようになりました。この発表は、ウェブパブリッシング界で自分たちのコンテンツが明示的なオプトインなしにAI訓練に利用されていることへの懸念が高まったことを受けたものです。

Google-Extended AI training control panel interface

Google-Extendedの仕組み

Google-Extendedは、業界標準のrobots.txtファイルを介して動作する機械可読な制御手段であり、技術レベルに関わらずすべてのパブリッシャーが利用しやすい設計です。robots.txtファイルにGoogle-Extendedユーザーエージェントのディレクティブを追加することで、GoogleのAI訓練クローラーに対し、どのコンテンツをインデックス対象外とするかを伝えることができます。実装はシンプルで、従来から検索エンジンクローラー管理に使われてきた慣例と同じです。主な実装方法は下記の2通りです:

# Google-Extendedをすべてブロック
User-agent: Google-Extended
Disallow: /
# 部分的なブロック(特定ディレクトリのみ)
User-agent: Google-Extended
Disallow: /premium-content/
Disallow: /licensed-material/

最初の例はGoogle-Extendedがサイト内のすべてのコンテンツにアクセスするのを防ぎ、2つ目は特定のディレクトリやコンテンツ種別のみ選択的にブロックします。この柔軟性により、一般的なコンテンツはAI訓練に提供しつつ、機密や専有情報は保護するなど、パブリッシャーごとの戦略的運用が可能です。

Google-Extendedが実際にブロックするもの

Google-Extendedがどの範囲を制御するかを理解することは、実装判断に非常に重要です。このディレクティブは、GoogleのAI訓練クローラーがあなたのコンテンツをBard、Vertex AI、および将来の生成AIプロダクトの改善目的で利用するのを防ぎます。ただし、Google-Extendedには明確な制限があり、すべてのAI関連アクセスを制御できるわけではありません。詳細な比較表は下記の通りです:

機能Google-Extendedでブロック可ブロック不可
Bardの訓練データ収集✓ 可能
Vertex AIモデルの改善✓ 可能
将来のGoogle AIモデル✓ 可能
Google検索のインデックス登録✓ 影響なし
検索結果のAI Overviews✓ 影響なし
Google検索順位✓ 影響なし
Googlebotのクロール✓ 影響なし
通常の検索可視性✓ 影響なし

この違いが極めて重要です。Google-Extendedをブロックしても、あなたのコンテンツがGoogle検索結果に表示されたり、AI Overviewsで利用されたりするのを防ぐことはできません。あくまでGoogleの生成AI向けの訓練データ収集だけを対象としており、検索可視性には一切影響しません。

Comparison of what Google-Extended blocks versus what it doesn't block

重要な違い - AI OverviewsとGoogle-Extended

Google-Extendedで最も誤解されやすい点の一つが、GoogleのAI Overviews(検索結果上部に表示されるAI生成要約機能)との関係です。多くのパブリッシャーは、Google-Extendedをブロックすれば自分のコンテンツがAI Overviewsに表示されなくなると誤解していますが、これは根本的に違います。AI OverviewsはGoogle検索結果に表示されたコンテンツから生成されており、Google-Extendedが制御するAI訓練データ収集とは別物です。つまり、Google-Extendedをブロックしても、通常の検索で上位表示されていればAI Overviewsに引用・要約される可能性は残ります。もしAI Overviewsでのコンテンツ表示自体を防ぎたい場合、Googleは代替手段として**nosnippetメタタグ**を提供しています。これは、AI Overviewsを含むすべての検索結果であなたのコンテンツのスニペット表示を防ぐものです。この違いを正しく理解し、ビジネス目標に合ったコンテンツ保護戦略を立てることが不可欠です。

Google-Extendedをブロックすべき人は?

Google-Extendedをブロックするかどうかの判断は、コンテンツの価値やビジネスモデルの慎重な分析に基づくべきです。特に下記のようなパブリッシャー・コンテンツ制作者には、実装を強く推奨できる理由があります:

  • ライセンス制約のあるコンテンツプロバイダー:第三者からライセンス提供されたコンテンツを持ち、利用範囲に制約がある場合は、ライセンス違反や法的リスク回避のためGoogle-Extendedをブロックすべきです。

  • 有料・サブスクリプション型コンテンツ:ニュース、リサーチ、教育機関など、独占コンテンツで収益を得ている場合は、競合AIシステムの訓練利用を防ぐメリットがあります。

  • 知的財産依存型コンテンツ:独自の研究・手法・専門知識など、自社の競争優位性や独自性を守りたい場合はブロックを検討しましょう。

  • 法規制やコンプライアンス重視業界:金融、医療、法律分野など、規制対応や顧客機密保持の観点でブロックが必要な場合があります。

  • クリエイティブ業界:著作権や公正な報酬に依存する作家、写真家、ミュージシャンなども、AI訓練への利用制限には合理的な理由があります。

現在Google-Extendedを利用しているサイトは?

Google-Extendedの実際の導入状況を見ると、各パブリッシャーのAI訓練アクセスに対する姿勢の違いが浮き彫りになります。大手ニュースメディアのThe New York TimesCNNBBCはGoogle-Extendedで明確にブロックしており、自社の有料ジャーナリズムが競合AIの訓練に無償利用されることへの懸念が表れています。これはAI訓練に利用されたコンテンツへの公正な報酬を巡る業界の議論とも一致しています。一方、WikipediaCNETNetflixなどはブロックしておらず、戦略やビジネスモデルの違いが見て取れます。ロイターなどの調査によれば、業界によって導入率に大きな差があり、ニュース系はブロック率が高く、テクノロジー、エンタメ、リファレンス系は低い傾向です。これは各業界の経済モデルやコンテンツ戦略の違いを反映しており、AI訓練アクセスを発見性の向上と捉えるか、ビジネスの脅威と見るかの立場の違いが鮮明です。

検索順位・可視性への影響

Googleが明言している極めて重要な点は、Google-Extendedをブロックしても検索順位やGoogle検索での可視性にはまったく影響がないということです。Googleの公式声明によれば、あなたのサイトがGoogle検索インデックスに含まれるか、ターゲットキーワードでの順位、自然検索トラフィックなどはGoogle-Extendedのブロック有無に一切左右されません。これは、検索インデックス用クローラー(Googlebot)と、Google-Extendedが制御するAI訓練クローラーが完全に独立しているためです。パブリッシャーは検索可視性に影響を受ける心配なく、純粋にコンテンツ利用やビジネス戦略の観点だけでブロック判断ができます。この明確さは、SEOリスクを懸念せずに自社の方針に従った決定を行える点で非常に重要です。

ビジネス意思決定フレームワーク

Google-Extendedをブロックするかどうかの最終判断は、あなたの収益モデルが「信頼の収益化」か「コンテンツの収益化」かという根本的なビジネス上の問いに立脚します。自社のコンテンツがGoogleのAI製品の改善に利用されることで、可視性やトラフィック増という戦略的価値が得られるのか、あるいは主力収益源を脅かすリスクとなるのかを分析しましょう。たとえば、独占的・有料コンテンツでマネタイズしている場合(サブスク型ニュースやリサーチプラットフォーム等)はGoogle-Extendedをブロックすることで、独自情報への課金可能性を守れます。一方、広告収入や自然流入で成り立つパブリッシャーはGoogle-Extendedを許可することで、AIモデルの進化による流入増の恩恵を受けられるかもしれません。さらにGoogle AssistantGeminiの登場で、今後Googleが情報を提供する方法自体が大きく変わろうとしています。AIインターフェースが一般化・高度化するにつれ、自社コンテンツをそれらに活用させるか否かがますます戦略的な意味を持ちます。現時点の収益だけでなく、AI主導の情報流通時代にどう適応するかという未来視点のコンテンツ戦略も考慮してください。

グラウンディングとAIインターフェースの未来

グラウンディングという概念は、AI主導の検索・情報発見の未来を理解するうえで極めて重要です。グラウンディングとは、AIが生成する回答をウェブ上の特定の出典に結び付け、事実性と追跡性を担保する手法です。GoogleのDeep Research機能や高度なAI機能は、このグラウンディングに大きく依存し、ユーザーに信頼できる出典付き情報を提供します。AIアシスタントが高度化すればするほど、権威ある出典を引用・参照できる能力がユーザー・パブリッシャー双方にとって重要性を増します。AIインターフェースの未来は、パブリッシャーのコンテンツとより直接的に連携し、可視性やトラフィックの新たな機会を生み出す可能性があります。こうした変化を理解し、戦略的なブロック判断やAI消費への最適化に備えることで、AI時代の情報流通で優位に立てるでしょう。

実装とモニタリング

Google-Extended制御の実装は簡単ですが、指示が正しく守られているかを監視することも重要です。ブロックを実装するには、robots.txtファイルにGoogle-Extendedユーザーエージェントのディレクティブを書き加え、ウェブサーバーに反映するだけです。実装確認は、ブラウザでyoursite.com/robots.txtを直接開き、指示が正しく記載されているかチェックしてください。Google Search ConsoleでもGoogle-Extendedのクロール状況をある程度確認できますが、Googlebotほど詳細なレポートはありません。Google-Extendedブロックの効果を確認するには、導入前に自然検索トラフィック、ターゲットキーワードの順位、検索結果やAI Overviewsでのコンテンツ表示状況などのベースライン指標を記録しましょう。導入後もこれらの指標を継続的に観察し、検索可視性に影響が出ていないことを確認してください。また、AI生成回答内で自社ブランドやコンテンツがどう引用されているかを知るための通知設定も検討しましょう。robots.txtファイルの定期監査やブロック戦略の見直しを継続することで、ビジネス目標や競争環境の変化にも柔軟に対応できます。

よくある質問

Google-Extendedとは?

Google-Extendedは、2023年9月に発表されたrobots.txtによる制御手段で、ウェブサイト運営者が自サイトのコンテンツをGeminiモデルの訓練やGeminiアプリのグラウンディングに利用されないよう防ぐことができます。これは独立したクローラーではなく、既存のGoogleユーザーエージェントを使った制御トークンです。

Google-ExtendedをブロックするとAI Overviewsも止まる?

いいえ。AI OverviewsはGoogle検索の一部であり、Google-Extendedで制御できません。AI Overviewsをブロックするにはnosnippetメタタグが必要ですが、これを使うと通常の検索スニペットや可視性も失われます。

Google-Extendedをブロックすると検索順位が下がる?

いいえ。Googleは公式に、Google-Extendedは検索インデックスや順位に影響しないと述べています。これはGeminiの訓練やグラウンディング用途だけに影響します。

Google-Extendedはどうやってブロックする?

robots.txtファイルに下記の行を追加してください:user-agent: Google-Extended の後に Disallow: / と書くと全コンテンツ、Disallow: /directory で特定ディレクトリのみブロックできます。

Google-Extendedはブロックすべき?

ビジネスモデルによります。信頼や専門性でマネタイズしている場合は許可することで可視性が高まる可能性があります。コンテンツ自体(有料記事など)で収益化している場合は、知的財産を守るためにブロックするのが有効です。

Geminiにおけるグラウンディングとは?

グラウンディングとは、GeminiがGoogle検索からコンテンツを引用して回答の裏付けや強化に利用し、その出典を引用として表示することです。Google-Extendedをブロックすると、あなたのサイトがグラウンディングの出典として使われるのを防げます。

現在Google-Extendedを利用しているのは?

NYT、CNN、BBCなど大手ニュースメディアはブロックしています。一方、Wikipedia、Netflix、LinkedIn、WebMDなど多くの大規模サイトはブロックしていません。

Google-ExtendedはGoogleニュースやGoogle画像検索にも影響する?

いいえ。Google-ExtendedはGeminiの訓練やグラウンディングだけに影響し、Googleニュースや画像検索、その他のGoogle検索機能には影響しません。

AIがあなたのブランドをどのように参照しているかをモニタリング

Google-ExtendedはAIシステムがあなたのコンテンツにアクセスする一つの方法にすぎません。AmICitedはGoogle AI Overviews、Gemini、Perplexityを横断し、AIによる引用があなたのブランドやコンテンツにどう及んでいるかを追跡します。

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